君が嘘をついた理由。
思い出してお礼を言えば笑顔を返された。
ごはんを一口運んで、それからまた話す。
「それと、友達に会いに行きました」
「友達?」
興味深げに聞いてきた陽太にうなずく。
「大事な友達に」
あなたが授業をしている反対側の棟で会ってました、とは言えないけど。
陽太の頭の中では
猫で変換されているのだろうな、と
口を動かしながらこっちを見ている
陽太を見て思う。
陽太の食べ方はとても綺麗だ。
比べる相手が学校の男子くらいしかいないけれど、
かきこんだりしない。