極上の他人
たとえお店が混んでいても、いつも遠慮なくカウンターに腰掛けていた私を知っているだけに、今の言葉を信じられないんだろう。
でも、やっぱり本当の気持ちは言えない。
輝さんが好きだから、綺麗な女性と楽しそうに笑い合っている様子を見たくなかったなんて言えるわけがない。
かといってこれ以上嘘をついてもばれるに決まっているし。
輝さんは私をじっと見ながら何かを言おうとしたけれど、結局何も言わず、肩をすくめた。
「混んでるけど、席は空けてあるんだ。気にせずに食べに来い。わかったな?亜実さんからもちゃんと食べさせて欲しいって連絡があったんだ」
「あ、はい……ありがとうございます」
……そっか。亜実さんに頼まれてるんだ。
だから、私の為に色々とメニューを考えて用意してくれているんだ。
……なんだ。
確かに、亜実さんは私が一人暮らしのうえ料理ができないことも知っているし、放っておけば一日何も食べずにいても平気だって知っている。
亜実さんはそんな私を心配して、時々自分の家に呼んでは手料理をごちそうしてくれる。
だから。
だから、輝さんは、私に優しいんだ。
……なんだ。