秘密の言葉

クリスマスイブ

____「花!…」

「水木君!一緒に帰れろ…?」

初雪の日から、日付はどんどん進んでいく。
もうクリスマスまで数日。
もう家の飾り付けは全部終わった。

「花、24日暇かな?」

「24日…クリスマスイブ?」

少し、ドキドキした。
クリスマスとかイブは、普通カップルで過ごすものだと思ったから…。

「その、よければ一緒に"特別な場所"に行かない?」

クリスマスに、水木君と、特別な場所…。
心臓が飛び出してしまいそうだった。
すごく嬉しくて…もどかしいくらい。

「嬉しいっ!私との時間でクリスマスイブ潰しても、大丈夫?」

それだけが心配。
私だけが浮かれて、水木君に迷惑かけていないか…。
だって、1人だけおだってたら、恥ずかしいじゃん?

「花と、過ごしたいんだ」

そんなことを軽々しく言われると、誰だって勘違いしてしまう…。
そんなに真っ直ぐな瞳で言われたら…。

「…よかった。すごく楽しみっ」

恥ずかしく俯いたけど、すぐに顔を上げて素直に笑った。

「花、いつも笑っててね?」

ほら…またそうやって、悪戯に微笑むんだ…。
ズルイよ…こっちばっかりドキドキさせられちゃって…。

「それじゃあ、24日楽しみにしててねっ!」

イブは絶対に、水木君の事喜ばさせてあげよう。
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