秘密の言葉

Xmas

___「…おはよ」

「おはよ、今日は2人でケーキ作るわよ」

「ええ、私そういうの得意じゃないのに…」

「いいから、お母さんと一緒に作るの」

なんか、気を使ってくれてるっぽい。
目触った感じ、腫れてるな。
昨日、泣きすぎたのかも…ダサ。

「さっさと目洗ってきな!今日は1日お母さんとクリスマスパーティーよ」

お母さんは、優しい。
昔からそうだったよね。
私が男の子に会えないと外に行かなくなった頃、一緒に花冠を作ってくれた。
私の事、すごく分かってくれてて。
私はお母さんの事、分かってあげられているかなって思う。

「お母さん、ケーキ作れるの?」

「もちろんよ!これまで花の誕生日とクリスマスのケーキは全部手作り!」

そうだったんだ。
私はすごく美味しくて、どこのお店のだろうって思ってたけど、手作りだったんだ。

「私でも、お母さんのみたいに美味しく出来るかな」

「一緒にやれば、美味しく出来るわ」

お母さんは、私の肩をポンと叩いて、『さあ、まずは手洗って』と早速ケーキ作りの準備に入った。
洗面所に行くと、本当に酷い顔だった。
目は充血して、目元も膨れてる。
きっと目をこすったから、目下も赤い。
私はそんな膨れた顔を、冷たい水で強く洗った。
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