秘密の言葉

掴んだ謎

___次の日。
いつも通り恵美の家に迎えに行くと、真っ青な顔をした恵美が出てきた。
事情を聞かなくても、体調不良なのは直ぐに分かったから、『お大事に』とだけ伝えて学校へ向かった。

「おはよう、花」

「…水木君!?」

「今日は、いないの?」

「えっと、恵美?」

水木君が、久しぶりに学校へ来た。
もう聞きたい事は聞いたはずなのに、どこかモヤモヤする。
何かまだ、引っかかってる事がある気がして…。
恵美は、今日いないしなあ…。

「今日は、授業全部でる?」

「うん、出れそうだったらね」

何があって、出れないのだろう。
もう、留年決定とか?
そしたら、なおさら出なきゃって思うはずなのに…。
やっぱり、こう言う小さな疑問も、聞いてみるべきなのかな?

「水木君、ノート見せてあげよっか?」

「ありがとう、花っ」

そう明るく笑うと、さっきまでのモヤモヤが消えていく気がする。
水木君の笑顔は、私の1番好きなもの。
だって、私に笑顔と元気をくれるから。
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