彼女の名前
もちろん、そんなことはおくびにも出さないけど。

スピーチが終わると、どっと拍手が聞こえてきた。
一礼して壇上から降りる。数々の称賛も笑顔で受け流し、早々に席に戻る。

あぁ疲れた。家に帰ったら直ぐお風呂に入ろう、そうね…ラベンダーのバスバブルを入れて。
そんなことを考えていたら、こちらをじっと見てくる視線を感じた。

何かしら…さりげにそちらを伺う。と、 短髪で特に特徴のない男の子だと分かった。
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