澪ちゃん恋をする

飛んでいった田端さん 【澪side】



バタンっ!!



すごい音がして、入り口を見た。

そして驚いた。

そこには今までの先輩からは想像できないほど怖い顔をした高岡先輩が立っていた。



「おい。なにやってんだ」



その声も、いつもの優しい声とは全然違う。

低くて、身震いが起こりそうなほど怖い声。

そこまで考えて、今の状態を把握した。

あたしは田端さんにワイシャツのボタンを閉めてもらっている途中。

傍にはネクタイが落ちている。

あたしの顔はサーっと青くなった。



「キャーーーー!!!違います~!!!!」



あたしは目の前にいた田端さんを思いっきり突き飛ばした。



「うげっ!!!!」



田端さんはそう言いながら2メートルほど飛んで、コントラバスにぶつかった。

コントラバスがキレイな音を奏でた。


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