この恋が永遠になりますように

真琴side


教室へ戻れば杏はすぐに指定された席へ戻っていった。


そういえばさっきはまだ式の前だったから気づかなかったけどあたしの隣の席と杏の周りの席の子はまだ来てなかった。


「遅刻かな?」


そう呟いたとき、ふと前の席の子から声を掛けられた。


「えーっと、飯草 真琴ちゃんだよね?」


「えっ!?う、うん。そうだけど…」


話し掛けてきた子は肩まである髪に緩やかにウエーブをかけていて可愛らしい女の子だった。


「私、宇佐美 玲那 ウサミ レナ。よろしくね。」


「あ、うん。よろしく。」


「でもさぁ、ふたりって噂どーりだよね。美人だし、なんてゆーか、人の目を惹きつけてる?みたいな。」


「全然だよ。まぁ、たぶんその噂のほとんどはあたしじゃなくて杏のことだろうし。」


そう言っておいた。


だって事実だったから。


あたしよりも杏の方が可愛いし、頭もいい。


おまけに運動神経までよくて完璧なんだもん。


杏はあたしの憧れ。

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