この恋が永遠になりますように


そう呟くのはコンピューターと未だににらめっこを繰り返している昂輝だった。


「収穫なしか。」


そんなことをつぶやく奴らをよそに俺は別のことを考えていた。


篠山 杏


あいつは何かがある。


俺は直感的にそう感じていた。


そのためか、授業中はあいつを見てることが多かった。


見ててわかったこと。


それはあいつの目に光がないこと。


その目は酷く冷めきっていたのだ。


俺はその目をよく知っていた。


絶望の際に立たされ、闇に縋る者の目。


< 45 / 284 >

この作品をシェア

pagetop