旦那様は冷徹社長!?~政略結婚は恋の始まり~
 暫くしてカレーの出前が届き、少し早めの夕飯を終えた。

お風呂から上がり自分の部屋へ入ろうとした時、彼に呼び止められた。

「今月は忙しいので、休みは来月とってますので」

「わかりました……では、おやすみなさい」

 ドアに手を掛けた時。

「瑞希さん」

 再び声を掛けられゆっくり振り返り彼を見る。

「形は夫婦でも俺と貴女はお互いの目的の為に結婚しただけです。俺に過度な期待はしないでください」

 眼鏡の奥にある冷めた瞳で見つめてくる彼は、まるで私を蔑んでいるかのよう。

 まるでこれ以上近づくなと言わんばかりの彼の言葉に、思わず手を握りしめる。

「わかってます」

 微笑みながらそう言うと自分の部屋へ入った。

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