北条くんの日常


姉はまた電話をしていて、俺に気がつくとすぐに電話をきってこっちに来た。

「じゃあ、帰ろうか」

俺が両手に抱えた荷物から姉は自分のを持って、歩き出す。

「え、いいのに」

「帰りくらい自分の荷物もつわよ」

帰りくらいって…とその気の使い方に少し可笑しく思って、ハイハイ、と言って着いて行った。

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