高梨さんの日常
「食べていい?」
「うん、どうぞ」
用意よく差し出されたフォークを受け取って、一口とる。
「いただきます」
口に入れると、…なんだか違和感。
「ごめん、昨日色々あって愛情入れすぎた」
甘い、甘いんだけど。
それと同じくらい感じるしょっぱさ。
「いや、すごく美味しい。」
気を使ったわけじゃない。
ただ、高梨が俺を思って作ってくれたものが、美味しくないわけないじゃないか。
美味しい、美味しいと連呼すると、高梨は少し、恥ずかしそうに、
微笑んだ。