ヤンデレに死ぬほど愛されてます

孝太郎は一週間入院する事になった。

家に帰った私は、電気も付けず
暗い部屋でぼーっとしていた。


携帯が振動する。

杉村君だ。

「…もしもし」

「雨宮？この前電話したろ、どうした」

「…た」

「え？」

「孝太郎、入院しちゃった…」

「今家か！？すぐ行くから待ってろ」



杉村君が来るまで自分が何をしていたかは覚えてない。

ピンポーン


杉村君を家に上げて、
孝太郎のことを話た。

「大変、だったな」

「…ごめんね、わざわざ」

杉村君は私の頭にぽんっと手を乗せて笑った。

「気にすんな、俺が勝手に来たわけだし」

「ありがとう」

お茶の用意をしてると、
不意に杉村君が言った。


「お前らってさ、お互い依存し合ってるよな」

え？

「天野もお前も。
まぁ、天野はちょっと特殊だけどな」

杉村君…。


「俺さ、通り魔の犯人天野って知ってんだ」

「嘘…」

知ってて、黙ってたの？

「でも、天野を恨んでないよ。
一方的に天野が雨宮に
依存してるならボコるつもりだったけど、
相思相愛らしいじゃん？」


杉村君…。

「でも、一人で抱え込むのは辛そうだし、
俺に何かできることないかな…」

「…孝太郎と、友達になって欲しい…」

孝太郎は、いつも一人ぼっちだ。
甘える人もいなくて、
頼る人もいないから、
何かに依存してしまうのかもしれない。


「いいよ」

「本当に⁉」

笑って頷いてくれた。


「あいつの中学の頃の話、していい？」

私は頷いた。

「天野は、いつも一人だった。
まぁ、あの見た目だから人もそれなりに寄って来るけど
本人が怯えてる感じだったなぁ…。」

そうなんだ…。

「俺はさ、天野は面白い奴だと思ってたんだ。
成績も良くて、顔もいいのにどうして人と
関りたがらないんだろうって。
まぁ俺はとうとう三年間声掛けれなかったけど、
まさか同じ高校とはねぇ」


孝太郎は、辛い目にあったのかな。
中学の三年間を楽しく過ごせないくらい、
怖くて、辛いことが。



私には、想像できないけど。