ヤンデレに死ぬほど愛されてます
11月後半。

孝太郎が退院してから一週間。

気温が急激に下がって、
痛いほどの寒さだ。


孝太郎のひんやりとした左手を握りながら
登校した日の、朝休みだった。



「天野ー、ちょっといいか?」

杉村君が私たちのクラスにきて言った。

「っ…」

孝太郎の目付きが変わったのを見て思わず
息を飲む私は、心配そうに見守った。



廊下に出て行く孝太郎が心配で、そわそわする私に
真紀は?を頭に浮かべていた。




しばらくしてから戻ってきた孝太郎に、
私は駆け寄った。


「孝太郎、杉村くん何言ってた?」

「なんか、友達…?がどうとか」

うわぁ、超不機嫌。

「友達になれたの?」

「? 友達…」

何で、と言った感じで首を傾げる。


「僕に友達なんていらないよ。
夢葉だけいればいいんだから」


笑った瞳にゾッとした。

でも、ここでひるんじゃダメだ。

「友達は多い方がいいよ?
だから杉村君と…」

首を締められた。

まだ人はあまり来ていないけど、
数人がこちらを見ている。



「友達なんて、必要ない。
裏切られて利用されて捨てられるんだ。
大人…先生だってそうだ。
だから僕は



夢葉サエイレバソレデイイ」



いきなり手を離され、
私は膝から崩れ落ちた。




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