続・危険なキス
腕を引っ張って歩く先生は無言のままで
停めてあった車の前までたどり着く。
さっきまでいたはずの美香さんは、先生の言った通りもう姿はなくてポツンと停められている車。
先生は助手席のドアを開けると、強引にあたしを乗せた。
「おろ…してくださいっ……。
あたし、電車で帰るのでっ……」
「……シートベルトは閉めておけ」
あたしの反論は虚しく無視され、発進されてしまった手前、仕方なくシートベルトを締めた。
「……美香さんのこと……
どうして送っていかなかったんですか……」
走りゆく車の中で、出てくる言葉はかわいくない質問。
素直に気持ちを伝えられない。
先生は前を向いたまま、表情一つ変えずに口を開く。
「そんなの、彼女放ってまですることじゃねぇだろ」
返ってきた言葉を聞いて、思わず顔を上げた。