続・危険なキス
11章 親友の恋の行方
「しーのーーー……」
「うわ……」
学校へ向かうと、突然呪い殺されるんじゃないかと思える声。
だけどその声の主なんて分かっていたので、少しめんどくさそうに振り返った。
「麻衣子……」
「もーやだ!ほんとにやだ!!」
朝から何を叫んでいるんだか……。
通学途中、隣で小学生のように叫ぶ麻衣子を、少し恥ずかしいと思いながら口を開いた。
「何が?また楠木と何かあったの?」
「……うん……」
麻衣子は本当に分かりやすい。
今の麻衣子が、一喜一憂する原因は、ほとんどが楠木。
卒業が間近の今、きっと麻衣子も焦っているんだと思う。
「で?今度は何?」
「拓也……
まだ紫乃のことが好きなんだと思う……」
麻衣子から吐き出される言葉は
なんとも答えを返しづらい言葉だった。