続・危険なキス
 
「は、い……」


にこにこと微笑みながら、距離を詰めてくる先生。

自然とあたしは後ずさり、背中がトンと壁に当たる。

追いつめた先生は、片手を横の壁へとかけた。



「お前、俺が言ったこと、覚えてねぇの?」

「え……?」

「俺は、お前のことを信じてても、
 ほかの男と二人きりになるのは嫌だ、って言ったんだけど」

「あ……」



言われて思い出した。

つい最近言われた言葉。
あたしが先生に、美香さんと会ってほしいと言ったときに返された言葉だ。



「で、でもっ……
 あたしの場合、下心とかある人と会ったわけじゃなくて……
 麻衣子と楠木を……」

「……」


「すみません……」



無言で見下ろす視線。


言い訳は、しても無駄だと悟った。
 
< 143 / 344 >

この作品をシェア

pagetop