続・危険なキス
 
「こうやって、毎日紫乃と顔を合わせられるのも、あと少しって思うとさみしいよぉ……」

「麻衣子……」


卒業は、まだ先なのに、すでに涙目になっている麻衣子。

お願いだから、今泣かないでほしい。
人の泣き顔を見ると、こっちまでもらい泣きをしてしまいそうだから……。


「でもさ。
 卒業したからって、もう会えないわけじゃないんだし。

 いっぱい遊ぼうよ。これからも」


「紫乃……。
 うんっ!!」


やっぱり、麻衣子の目にはいっぱいの涙が浮かんでいて、あたしまでじわりと熱いものが浮かんでしまった。


麻衣子と離れ離れになるのはさみしい。
こんなあたしに、いつも傍にいて、励ましてくれた大事な友達だから……。



「それに、麻衣子は楠木と同じ大学なんでしょ?
 学部は違うけど、寂しさも半減できるじゃん」

「え?あ……あははっ……」


あたしの突っ込みに、麻衣子はぽっと顔を赤くして微笑んだ。

その姿を見て、ついこっちもニヤニヤしてしまう。
 
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