続・危険なキス
きっとあたしは、学生のうちの同棲とか許される家じゃない。
だから先生とは、あと4年以上はこうやってデートのたびに家に帰らないといけないけど……
「……バイト…接客業なのに……」
「見せつけとけ」
「できないですよ」
そう口では言っているけど、
こんなふうに先生の印を残されるのは、どうしようもなく嬉しい。
「いつか、消えなくなりそうですね」
「それはそれでいいな」
何度もつけられるマーキング。
毎回、反論したり、憎まれ口を言ったりするけど
心の中ではくすぐったい気持ちでいっぱいで……
「明日、またつけてください」
「誘ってんの?」
その言葉には返さない。
あたしはにこっと微笑むと、車のドアを開けた。
「おやすみなさい」
「……おやすみ」
車を降り、最後の挨拶。
先生もそれ以上何か言うことなく、パタンとドアを閉めた。