続・危険なキス

後編

 
「じゃあ、合わせてみよー」
「はい!」


ジャズサークルに入部してから、1か月。

いろいろ悩んだけど、結局あたしはあのジャズサークルに入部していた。


あの新歓があった日は、いろいろ絡まれて大変だったけど、あれはやっぱりお酒の席であったから。
飲み会ではないこの場所では、特別、木本先輩や他の先輩が、変なふうに絡んでくることはなかった。



あたしの担当はピアノ。

サックスとか、ちょっとカッコイイとか思ったけど
あたしがかじったことがあるのはピアノのみ。


習い事として通っていたピアノは、正直つまらないと思いながら弾いていたのに
サークルでみんなと合わせて演奏するジャズは、すごく楽しかった。



「うん!いいじゃん!」


演奏が終わって、部長が思わず拍手。

みんなも笑顔で楽器をおろした。



「今日はここまでにしよっか。

 それに金曜だし……飲みに行っちゃう?」

「行こう!!」



サークルがある日は、週に2回。
そのうちの金曜日は、だいたい行けるメンバーで飲み会に繋がる。

普段あたしはあまり参加しないけど……



「紫乃ちゃん、どうする?」

「……行こうかな」



今日はその飲み会に、参加することにした。
 
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