続・危険なキス
番外編 奏人の一日
俺の朝は
目覚まし時計とか、携帯のアラームとか
そんな機械音からは始まらない。
胸元でうずく温もり。
必死に俺の腕から抜け出そうとしている。
まだ覚醒しきれていない頭だけど
毎日の行動パターンで、いったいそれがどういうことなのかは体が覚えていて、
俺の腕から抜け出そうとしている奴を
そうはさせるか、と言わんばかりにこっちに引き寄せた。
「……今日もダメだった…」
と、胸元で不服そうにつぶやいてる。
そんな声を漏らしているのは
俺の最愛の女……紫乃。
「どこ行くんだよ……」
「どこって……
朝だよ。もう起きなくちゃ」
「……何時?」
「6時半」
まだまだそんな時間……。
んな早く起きてどうすんだよ……。