続・危険なキス
 
デレ方なんか分からない。

だってあたしは、全然可愛いことなんかできないから……。


でも……



「……紫乃?」



奏人のシャツを掴んで、
そっとその顔を見上げた。




「奏人……。

 好き……」




たまにはあたしからも、甘い言葉を言わなくちゃ……。



「……」

「………えっ?」



だけど壁に追いやられていたと思ったあたしの体は、
いきなり宙へ浮いた。
 
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