続・危険なキス
「……なんだよ?」
突然近寄ってきたあたしに、先生は疑わしげな眼をあたしに向ける。
だけどあたしは、今持つありったけの微笑を浮かべて……
「…っ!!」
先生の頭に腕を伸ばし、精一杯背伸びをしてその唇に口づけた。
目を開けたまま驚いている先生から唇を離すと、至近距離のまま口を開く。
「誰に告白されたって、
あたしは先生だけが好きですよ」
その言葉を言い捨てて、さっと先生から離れた。
早くこの場から逃げないと……!
もし今、先生につかまってしまったら、絶対にアウト。
ここが学校だということを忘れて、完全に泣かされることになるから。
「紫乃、待て」
「待ちません」
「おいっ……」
「さよならー!」
あたしは、必死に追いかけようとする先生の腕をするりとかわすと、慌てて物理室を出た。
ここから出てしまえば、
湯浅先生は仮面をかぶった先生になるのを知っているから……。