続・危険なキス
「お前、何をどう捉えて、勘違いして……」
「湯浅……奏人……?」
ふいに、あたしと先生の間から
低くくぐもった声が発せられた。
それを発したのは、ついさっき、あたしがぶつかってしまった川崎さんで、
「お前、誰?」
身に覚えのない人物から、自分のフルネームを呼ばれて、疑惑を目を返す先生。
「まさかこんなとこで会うとは、な……。
俺はお前のこと、忘れたことない」
「は?」
意味の分からないといった顔をする先生とは裏腹に
川崎さんの目は鋭く睨んでいて、
あたしは二人の様子を交互に見やった。
「川崎 美央。覚えてるか?」
「かわさきみお?」
「……はっ、お前にとっちゃ、大勢の中の一人ってことか」
首をかしげる先生に、川崎さんは自嘲めいた笑いが漏れるばかりで……
「お前にボロボロに捨てられたっ……
俺の姉貴だよっ」