金色・銀色王子さま
最寄駅で店長と別れた。
しがみついて離れないで~!と叫びたいくらいだったけど、終始無言な片桐龍之介を見て私も遠慮なく黙って歩き続けた。



「あのさ、」

「!は、はい!?」

まさか彼から切り出すとは。
二人きりの夜道、変な空気が漂ってる。


「昨日は…悪かった。ごめん」

真っ直ぐ前を向いたままだけど、低い声で確かに"ごめん"と聞こえた。

「私こそ…あんなことして…ごめんなさい」
何にせよ、ウーロン茶を顔面にぶっかけてしまったのはやり過ぎたと後悔してた。
素直に深く頭を下げた。
彼の低い声が頭上から届く。



「冗談だから、あれ。カイトは女にすぐ手出すからさ。でも…あんたはそうじゃないんだろ?」

「………………」

「寒くなってきたな…夜」




あれ?もしかして…
さっき抱き付こうとした間に入ったのも、自分が送るって言ってくれたのも…





「…おい。なに止まってんだよ」

「あ、いや…心配してくれたんですか?」


だって、なんかその…
もしそうだったら…素直に嬉しい。




「んな訳ねーし。眠いから、帰りたかっただけ」

「ですよね…」

.


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