金色・銀色王子さま
だからそんなにオシャレな格好なんだ、と妙に納得した。


「じゃあ…」

「あっ、ちょい待ち!こんな良い天気だからさ~このまま帰って寝るの勿体ないし、麻衣ちゃんに着いて行こーかなぁ」

「ほんと、ただの散歩だよ??」

「それがいいんじゃん。なんならさ、こないだ約束したサイクリングしよーよ」


てっきりノリで言ってたのかと思ってたサイクリングの約束。
はっきり言えば一方的で"約束"かどうかは微妙だったけど、ほんのちょっぴり、心の片隅に入れといてた期待。
二人乗りを視差するようだったが、どう考えてもカイトのマウンテンバイクに二人乗りは無理だ。
青春映画の高校生じゃあるまいし、タイヤの横にちょこんと出た出っ張りに足を乗せて立つわけにも行かない。

カイトは自転車置き場に向かうと鍵のついていない自転車を引っ張ってきた。


「だ、誰の自転車?それ」

「ん?あ、前にうち来た子のだと思う~。別れて、そのまま置いてちゃったんだよね確か」

「……やだそんな自転車乗るの」

いくらなんでもワケあり自転車に乗るのは気が引ける。
するとカイトは自分の自転車を麻衣に乗るよう指示した。「これなら大丈夫でしょ」と、無邪気な笑顔で。


「さっいこっ!俺のおすすめスポットへ」


不馴れな自転車に股がり、目の前を走るカイトの背中に着いていった。

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