金色・銀色王子さま
ー次の日ー
麻衣はお節介半分、気まずい半分でカイトに電話をかけてみたが延々コールが鳴るだけ。
仕方ないのかな…
「やっぱり出ない」
ぽつり呟いて携帯をポケットにしまう。
「仕方ないんじゃん。あいつ頑固だし」
龍之介は不安そうな表情を隠せない麻衣に、幾分穏やかに答えた。
金髪の長身は駅の人混みの中でかなり頼れる。麻衣は龍之介を前にして歩く。
「…あんたさ、方向音痴だからって朝っぱらから俺を呼び出すなんていい度胸だな」
「だって東京駅なんて人混みだしいっぱい電車あるから分かんないんだもん。たまには私の言うこと聞いてっ」
「あーはいはい。で、あの人は何番ホームにいるって?」
「莉奈さんは3番って…」
「じゃああっちだ、ほら行くぞ」
「あっ、ちょっ…」
龍之介は麻衣の手を握ると迷わず目的のホームに向かっていった。
意識しないようにすればするほど、繋いだ手に意識がいってしまう。でもしっかり握られた手の安心感に、ただ身を任せるだけだった。
3番ホームにエスカレータで上がるとちょっと先にイスに腰掛けた莉奈の姿があった。
目が合うなり手を振る莉奈に見えないように繋いだ手をそっと離す。
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