金色・銀色王子さま

「私、映画観るとかそんな気分じゃないっ…」


「俺はそうゆう気分なの。あんたの呼び出しに付き合ったんだからおあいこだし」




そうだ、そうだった。
朝っぱらから私は彼を叩き起こしたんだった。

口を尖らせながらも、仕方なく席に座った。
片桐が何を考えてるのか、もう分からない。


しばらくして始まった映画は目が覚めると昔の自分に戻っていて、秘められた生い立ちについて明かされていく…というようなものだった。
亡き両親に会えたり、喧嘩したまま別れた友達と再会してその過去を書き換えようとしたり、感動ストーリーかと思いきやその期待を裏切るコメディタッチのやりとり。
バカバカしくなる、その表現が何より合っていた。


それがまた、そんな気分じゃなかったのにみるみる心が晴れてく。
暗闇の中でふと隣に座る龍之介を見た。肘をついて顔が良く見えない。
でも楽しんでるはず。

終わって出てきたときには映画について思う存分、語りたいくらいだった。



「面白かった~!あんな映画やってるなんて知らなかったよ!笑った笑った」


「ふぁああ」

「ちょっ!何そのあくび!片桐的はイマイチだったの?」

「…寝てた…」


「えっ!?はぁっ?!」


「いや、最初は起きてたよ。タイムスリップしたとこれらへん」


「それちょー序盤なんだけど」


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