好きなんて、言えるかよ。



「う……うそでしょ……!?」


私は、その姿を見た瞬間


信じられない気持ちと驚きとで

呼吸をすることすら忘れていた。


これは絶対にウソだ。

あの人が、こんな所にいるわけがないっ!

うん、きっと夢を見てるんだと思う。


夢ですら見たくない悪い夢。


周りにバレないように下を向き、頬をつねってみる

けれど


「痛い……。」


この夢は、覚めることなく

頬の痛みがじんじんとするだけだった。


もう絶対に会いたくないと思っていたのに

思い出したくもないのに


どうして、私の目の前にいるの……?







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