好きなんて、言えるかよ。


あーあ

また引き受けてやがる。

断ればいいのに、バカな奴。


そんな風に思いながら

放課後も、こっそり教室を覗いてみると


一生懸命掃除をしている沢村がいた。


何でそんな他人のために一生懸命やるんだか

頑張ったって自分がやったことになんねぇぞ?


教室の机を1人でふいて、その後は教室のはき掃除。


せめて誰かに頼ればいいのに

アイツは一人黙々と頼まれたことをこなす。


そして、


「出来た……」

なんて一人ごとをつぶやいて微笑むんだ。



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