好きなんて、言えるかよ。


そう、なぜならあれは


思い出したくもない私の黒歴史だから。



それは、3年前のことー。


「沢村さんお願いがあるの。

今日の日直の仕事代わってくれない?」


当時、中学1年生だった私は

同じ班の女の子から雑用を押し付けられていた。


「ごめん……今日はちょっと」


こういう系の仕事を任されたのは今週3回目。

さすがにそれは……!と思ったし、

私も用事があったから断ろうとしたんだけど


「大事な用事なの……おばあちゃんがっ」


と泣きそうな顔を見てしまったら断れるわけなくて


「分かった」


けっきょく私は引き受けてしまった。

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