不器用男子の、恋。
*
また今月も18日が訪れてしまった。
今日で、2ヶ月。
……七星にコクられてから。
今日で、1ヶ月。
……七星と別れてから。
18という数字を見ると、苦しさだけが俺を襲う。
……毎月18日が来るたびに、こんな思いしないといけねぇのかよ。
制服のポケットにいつも入れているストラップを取り出す。
七星に渡そうとしていたものだ。
ゆらゆらと目の前で揺らし、ハァと今日何度目かわからない溜め息をついた。
明日は休みだし、さっさと帰って寝よ。
「やめてください!」
「!?」
ストラップをポケットに仕舞い、ぼんやりと歩いていた俺の耳に入ってきたのは……七星の声。
声の方を見ると、そこには七星が男に腕を掴まれている姿があった。
え、何してんだよ?