へたれ王子



「菊池先輩は、凄く遊んでるって有名だよ」

「え、」

「色んな女の子をターゲットにして、その子が自分のものになるまであの手この手で引きつけるんだって。
で、顔だけで選ぶから合わなかったらポイして、相性が良かったら何股でもして付き合うんだよ」

「!!」




そんな高井さんの衝撃的な言葉に、あたしは思わず目を丸くする。


あ、あの菊池先輩がそんなことを…!?


その言葉にあたしが信じられずにいたら、佐伯さんが言った。



「だから、関わらない方がいい。大人しく星河先輩とだけ付き合ってれば、」



佐伯さんがそう言うと、クラスの皆は一斉にあたしから離れて行った。



「…」



う、嘘だ…そんなはずはない。

だって菊池先輩はいつもあたしを助けてくれたし、相談に乗ってくれた。

あたしが佐伯さんをイジメから「助けよう」と思えたのだって、菊池先輩が背中を押してくれたからだし…。



…あ、だけど。



あたしはその時、前に菊池先輩にされたことを思い出した。



菊池先輩に、佐伯さんの事で相談をしたあの時、確か体育館裏倉庫で…。




“…慣れてないなら、教えてあげるよ”

“どーせ、茉友ちゃんは全部知らないんでしょ?だったら、俺が一から全部教えてあげる”




…あの行動は結局何の意味を持っていたのかわからなかったけど、その前に星河先輩からも「菊池君には気をつけな」って言われてた。


え…だったら、本当に菊池先輩って…。



…じゃあ昨日のキスは、あたしが本当に菊池先輩の「ターゲット」だからなんだ…。



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