へたれ王子
菊池君はまた姉達にパシリに遣われているらしく、手には女性向けのファッション雑誌を持っていた。
「珍しいね?友希が寄り道って」
菊池君はそう言うと、いつも通りニッコリ笑う。
「茉友ちゃんは、一緒じゃないの?」
そしてそう問いかけてくると、俺の周りを少しキョロキョロと見渡した。
だけど茉友ちゃんとはついさっき別れたばかりだから、もちろん一緒にいるはずがない。
「…さっき、そこの交差点で別れたよ」
俺がそう言うと、菊池君は「えっ」って驚いたような顔をして言った。
「家まで送ってあげなかったの!?」
「うん。だって、疲れたし」
「…かわいそー、茉友ちゃん」
菊池君はそう言うと、「はぁ…」って重たいため息を吐く。
…あ、なんだかそうされるとまた罪悪感が…。
そんなに俺を責めないで、菊池君。