へたれ王子



その菊池先輩の言葉に、あたしは思わずちょっと黙り込む。


…何でわかったんだろ。


そう思ってびっくりしていると、菊池先輩が言葉を続けて言った。



「俺で良ければ、話聴くよ」



そう言ってまた優しく微笑んでくれるから、思わず甘えたくなってしまう。


…でもダメだ。星河先輩が菊池先輩には「近づかない方がいい」って言ってたんだ。

だったらここは星河先輩の言うことをきかないと。



「お、お言葉ですが、菊池先輩。別に大丈夫で…」



あたしがやんわりそう言うけど、菊池先輩は「でもさ、茉友ちゃん」ってまた口を開いた。



「独りで何かを抱え込むのは、良くないよ」

「!」

「たまには誰かに話さなきゃ。そのままじゃストレスになっちゃう、」



そう言って、菊池先輩はあたしの腕を微かに自分の方に引いた。


…でも、確かに菊池先輩の言う通りかもしれない。

あたしはそもそも話を聞いてもらう人がいないんだから、たまには話さなきゃなのかな…。


菊池先輩の言葉に納得してしまったあたしは、ついそれに頷いてしまった。



「では、お話…聴いてください、」



あたしがそう言うと、菊池先輩がニヤリと不敵に笑ったけど、

あたしはそれに気づかずに、ただ頼ってしまった。





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