生と死の狭間で
「…私は、生まれた時から体がすごく弱かったから。」

彼女は初めてゆっくりと間をたっぷりと含んで話をする。

「それで、小学校に入院した次の日に私は長くは生きられないってお医者さんに言われた。

でも、ずっとなにも起こらなくて普通の日々を過ごしてたから、きっと病院の先生が調べ間違ったんだろうと思ってた。ううん、思おうとしてた。

でも、5年前ついに発作が起こったの。
それで、今も治療はしてるけど治らないままなんだ。」



オレは唖然として言葉が出なかった。
なにも言えずに立ち尽くした。

こんなに明るい活発な少女にそんな現実が突きつけられているなんて想像もできなかった。
そして、何故あんなに明るく振る舞えるのか、素直に疑問に思った。


「何で、そんな病気でもお前は笑顔でいられるんだ?」


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