生と死の狭間で

「っそ、そんなことないですよ!!」
こいつは誉められたのに必死に弁解する。

「いいのよ～。そんなに謙遜しなくても。
…えっと、自己紹介してなかったわね。
私は前田 智子。直哉の母親よ。この子に何かされたしたらすぐにいってね。私がひっぱたいてあげるから!」

「ぁ、いえ。直哉くん凄くいい人そんなことないですよ。
私は、長澤 優希です。よろしくお願いします!」

そういって微笑んだ少女の愛らしさにはお袋もビックリしていた。
それからは、延々と二人で話続けオレとオヤジはまさに蚊帳の外だった。そして、二時間ほどたって外は日が沈み始めたころにやっと二人の話が終わりに近づいた。

「あら、もぅこんな時間!優希ちゃん面白いからスッカリ時間を忘れてたわ。お時間取らせちゃってゴメンなさいね。」

「いえ、私も凄く楽しかったです!!」

「あらほんと?嬉しいわ～。それじゃあ、またおしゃべりにこようかしら。」

「楽しみにしてます!」

と、いって結局オヤジは一言もしゃべらないまま長い嵐はやっと過ぎ去った。