星になりたい

温もり


夜、私はフラフラ何もすることなく歩いていた。

人々は次々に話しかけてきて、その会話を無視してなにかに誘われるように歩いていた。


「おい、雨降ってんぞ」


急に立ち止まりその言葉を聞き、雨が降っていることに気が付いた。

低い男の声は棘もあり、しかし優しさが見え隠れしてるような気がする。


「ほんとだ」


ククッと笑われ、眉を寄せると余計に笑うこの男。

次第に男が近づいてきて、私を傘の中に入れる。

小柄な私と175はあるだろうこの男は、傘にすっぽりはまった。


「お前…名前は?」


なんとなく予想していた質問に笑いが込み上げるのを必死に我慢する。

この男を見上げ、真っ直ぐ瞳を見て答えた。


「空…、」


と……………。

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