愛し*愛しの旦那サマ。


「ねぇ、ねぇ、臣くん」

「何だよ」

「せっかく来たんだしさ、あっちの服とか雑貨のフロアも見ようよ~」

「お前、食品買う前に言えよ」

「す、スミマセン」


計画性の無さを謝罪する私。買った食品を全部エコバックにつめ終えると、


「車に荷物おいてくるから、お前はここで待っとけ」


と、臣くんは荷物を持って車へ行ってしまった。


エレベーターに消える臣くんを見て、


はっ!

一緒に着いていけばよかった……


と、小さな後悔をする私。


もう臣くんはエレベーターに乗ってしまったので、近くのベンチで臣くんを待ちながら、今日は臣くんとショッピングモールブラブラ~♪と、自作の鼻歌を交えて一人わくわくする。

すると、


「幸代?」


と、若い男の声で呼ばれた気がして、パッと顔をあげる。

顔を上げると目の前にいた懐かしい顔の人物に、


あ。


と、口を開けて、フリーズしてしまう私。

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