襲撃プロポーズ-二度目の求婚-




「…お前には俺からちゃんと話そうと思っていたんだが…すまない」




先に知ってしまったんだな。

そう言ってスッと晴宗の太い親指が久保姫の頬を伝う涙に触れた。


冷たいそれが彼女の悲しみの温度のような気がして、晴宗は悔しそうに眉を寄せる。


久保姫が嘆く通り、今回晴宗が岩城氏のもとに赴いた理由は二人の間に近くできるであろう子どものことだった。


晴宗にその身を拐われてから、一時は勘当状態にあった久保姫と父・重隆。


そんななか晴宗の略奪をきっかけに、伊達勢力と岩城を含む反伊達勢力の軍事的行動が勃発した。




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