不謹慎ラブソング
浴室で髪を染めた時。


刺激で肌がピリピリして、匂いで鼻がツンとして、それから妙に哀しくなって、泣いた。


ずっと手入れをしてきた黒髪を明るい色に変えてしまうことが、本当はすごく寂しかった。


変わっていくことが怖かった。
 

変わらなければ幸せなままでいられたから。
 

何もかもを高校一年生の時のまま、成長を止めてしまいたかった。
 

シャワーで泡を落とすと、私の髪は濡れているなりにも明るい色になっていた。


ドライヤーで乾かすと、更に明るい色になった。
 

寂しさや焦りはあまりにも膨らみ過ぎて、空っぽになった気がした。
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