不謹慎ラブソング
私が前いた街を出ることになったのは、一通のメールからだった。
元々バランスを崩して学校にも行けずにずっと部屋へ籠りきりになっていた時期で、人との面会も一切拒否していた。
人との接し方―話し方とか、笑い方とか―が急に分からなくなってしまって、とにかくコミュニケーションをとることを恐れていた。
そんな時にメールが来た。
『杏里ちゃんと違って、私にはプライドがあるんだよ。』
いつもヘラヘラと笑っていて、子供っぽくて、すごく純粋なように振る舞っていた友人。
彼女が猫を被っていることくらい私にも分かっていたし、いつか牙を剥かれることも想定していたものの、最悪のタイミングだったように思われる。
不登校になったことも散々馬鹿にされた。
将来のことを悲観された。
それでも、絵文字や顔文字を使って傷付かないフリを続ける私に向って、彼女はこのメールを送ってきたのだった。