最後の夏休み Last Summer Days.
「そろそろ終わりにしよう。君は君の居場所に帰るんだ」



それは、優しさ?



それとも―――



「嫌いになった?」



「そうじゃないよ」



その笑顔は優しかった。



「だけど、君のしたことはただの家出だよ。



親に嘘ついてまですることじゃなかったんだ」



「今更そんなこと言わないでよ」



アタシを見捨てないで。



「君に辛いことがあったのはわかってる。だけど逃げちゃダメだ」



アタシはここで生きているの。



「そんなの言われなくてもわかってる」



わかってるから、進めなくなったのに。



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