オフィスの甘い獣(ケダモノ)
「佑月は…遊びで抱く女とは違う…そんな女を遊びで抱いて…罪の意識はねぇのか?和」




「…ないな…いいから…明日からはお前が『オリオン』に行けっ!」



「お前はどうするんだ?」



「…お前の言う…『みやこ呉服店』のトラブルの視察に京都に行く…」




俺は曲がったネクタイを整えた。




「…トラブルの概要を知りたい…」




臣は気を取り直して…俺に話を始める。






「…都さんはお前に惚れてるのか…」



「…言っておくが…誰かさんと違って…俺は何もしていない…」



「・・・」



臣は俺に皮肉を漏らす。


俺が帰って来てくれと頼まなければ…都さんに手を出すのは時間の問題だった…

そうすれば…俺にもチャンスがあったかもしれない。


でも、俺と臣は双子だけど…
俺は神宮寺家の一員じゃない。


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