オフィスの甘い獣(ケダモノ)
会社は自社ビルで私が勤務する場所は最上階。
最上階のフロアの間取りは開放感溢れるワンフロア。
社長室、秘書室、応接室と硝子でそれぞれ仕切られ、縦型のブラインドで中が隠せる仕組みになっている。
独立した空間は確保されるようになっていた。
私はブラインドのルーバーを閉じたまま…神宮寺社長に朝のコーヒーをお出しする。
「ありがとう…一昨日はどうだった?」
神宮寺社長の第一声は千寿子の結婚の話だった。
私と千寿子は共に社長秘書。
「え、あ…宮森さんの花嫁姿は素敵でしたよ」
「そうか…私も見たかったな…」
「あの…社長…これ…」
私は隠し持っていた退職届をそっと差し出した。
「やっぱり…辞めるのか…」
最上階のフロアの間取りは開放感溢れるワンフロア。
社長室、秘書室、応接室と硝子でそれぞれ仕切られ、縦型のブラインドで中が隠せる仕組みになっている。
独立した空間は確保されるようになっていた。
私はブラインドのルーバーを閉じたまま…神宮寺社長に朝のコーヒーをお出しする。
「ありがとう…一昨日はどうだった?」
神宮寺社長の第一声は千寿子の結婚の話だった。
私と千寿子は共に社長秘書。
「え、あ…宮森さんの花嫁姿は素敵でしたよ」
「そうか…私も見たかったな…」
「あの…社長…これ…」
私は隠し持っていた退職届をそっと差し出した。
「やっぱり…辞めるのか…」