オフィスの甘い獣(ケダモノ)
会社が軌道に乗るまでの約束で臣の部屋に居候していたが…



会社が軌道に乗った今も…臣と一緒に暮らしていた。




俺は臣から社員のIDカードを受け取り、何食わぬ顔で『オリオン』に出社。

ジャングルのようにひしめき合うビル群の中に『オリオン』は自社ビルを構えていた。


硝子張りの社屋は朝の陽光に反射にして俺の瞳には眩しく映る。



唯の雑居ビルの俺のオフィスとは雲泥の差。



あのビルの最上階が臣の新しい仕事場か…



京大卒だけど…臣の就職した先は大手広告会社の子会社の広告代理店


給料が安いクセに残業が多くて…臣は『ウチはブラック企業だ』と嘆いていた。




俺はそんな臣を自分の会社に誘った…



あれから3年…


俺よりも出世しやがって…胸には苦虫を噛み潰したようなキモチが溢れた。





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