オフィスの甘い獣(ケダモノ)
私は臣さんいやオフィスでは副社長とお呼びしよう…



二人で副社長室に入った。



「ここが…臣の…」



「んっ?」



「こっちの話だ…」



副社長は柔らかい笑みを湛えて椅子に腰を下ろした。



私はトレイで持ってきた淹れたてのエスプレッソを置いた。




「ありがとう…」




湯気の立つエスプレッソを啜る副社長。


伏し目がちな瞳を縁取る女性のような長い睫毛。



獣も…こうしてエスプレッソを飲む姿を見ていると何処かの貴公子に見える。



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