キケンな恋心
「水割り。それと......」


ヒロトが私を見た。
「あっ、ミモザを下さい」
ヒロトの行きつけのBARのカウンターに2人は座っていた。


ビルの最上階にある、シンプルな落ち着いた、大人のお店だった。中には、カップルが1組いただけだった。


「ここに、よく来るんですか?」


「あぁ。仕事帰りにたまにね」


レストランの時までのヒロトとは違い、少しだけ無口になっていた。


......あれ?先生......どうしたんだろぅ......



「何の話をしましょうか?あっ、さっきの先生の開業のきっかの続きが聞きたいな」
沙也加は、話しを繕った。


「......。」


......どうしたのかな?何か考え込んでる感じ......



「沙也加ちゃん......」
水割りのグラスを傾けながら、ヒロトが口を開いた......


「はい?......」
沙也加は恐る恐る顔を覗き込んだ......



「僕には、家庭がある。勿論、キミにも」



「はい......」



「お互いに、守るべき所は、守る」




「......はい」




「その上で......」





「付き合わないか?」



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