ツンデレくんをくれ!
しかし、一緒になって無視する中出も中出だ。


「あたし、そんなに嫌われてんの? 友の敵は我の敵ってやつ? 中出って意外に人情の厚い奴なの?」

「意味わからんけど……」

「言うなれば集団無視ってやつ? 一歩間違えばいじめだなこれ!」


悪いのはあたしだから何も言えないけど!


無視されても仕方ない原因を作ったのはあたしだから何も言えないけど!


「まだあたしら一年生なのに。あと二年やってける気しないわあ……」


すっかり暗くなって星が瞬いている空を仰ぐ。


今は11月。夜になると冷える。あたしはマフラーに顔を埋める。


「まあ、何とかなるよ」


志満ちゃんはさらりと言って部室の傍の駐輪場まで歩いていく。


あたしの気も知らないで呑気なものだ。


そりゃそうか。志満ちゃんは癒し系で男子からも好かれてるし。


嫌われてるのはあたしだけだ。


小杉くんのことは好きだけど、付き合いたいとかそんな願望は持っていない。噂が広まってからそんなものは余計なくなった。


ただ仲良くしていきたいだけなのに。同じ部活だから仲良くやっていきたいだけなのに。


小杉くんにはその気持ちに好きという感情が加わっただけの話なのに。


でも、男子から見れば、「好き=付き合いたい」と脳内で自動変換されてしまうのだろうか。大抵の人はそうだというけど、あたしは違うのに。


「寒いなあ……」


まだ見ぬ未来を思って気が重くなるのは、恋する女の特権のような気がする。


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