凪とスウェル
謎の女性
今日から学年末試験が始まった。


土日も挟むけど、合計5日間の日程だ。


隆治とは、行きのフェリーで問題を出し合ったり、不安なところをもう一度繰り返し暗記したりした。


隆治の集中力はすごかった。


勉強のやり方がわかっていなかっただけで、本当は頭が良いのかもしれない。


一日目の試験が終わると、隆治はあたしの席に一目散に走って来た。


「すず!お前すげぇな。

お前が言ってたとこ、ほぼ出たな」


「どう?出来た?」


「おう。バッチリだった。

やべぇ、俺。急に成績上がるんじゃねぇの?」


嬉しそうに目を細めて笑う隆治。


あたしはクスッと笑った。

< 157 / 733 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop